この手は傷だらけ


熱っぽいまなざしを一心に受け、昌器は意図的にゆっくりと瞼を持ち上げる。目が合い、鋭介は息を飲んだ。つうっと、鋭介の太腿をまさぐっていた手でつけ根から自分の唇までをなぞる。
「まさき、さん……っ」
「ん、……ふぁ」
咥えたままの性器の形が伝わるよう右頬に押しつけ、軽く甘噛みして笑い混じりに息を吐く。口の中いっぱいに情欲の匂いが充満して、たまらなくなってベッドに腰をすりつけた。服を脱ぐのももどかしい。鋭介の体液と、自分の唾液とが交じり合う。眉を寄せ、間断なく湿っぽく喘ぐ鋭介がかわいくて、昌器はまっすぐに目を見つめたまま先端をきつく吸った。
「うっ、あ……!」
「かーわい、……は、あっ……」
「かわいい、っとか……も、むり、う、はぁっ」
喉を引きつらせて喘ぎ、鋭介は羞恥心が限界点に達したのか、腕で目許を覆ってしまう。それでも、紅潮しきった頬は隠せていない。かわいい。もっと感じさせたい。情動のまま、頭を上下に揺らして体液のあふれ出る先端を口蓋にすりあてる。くすぐったいような、焦れるような性感がじんわり神経を抜けていく。
「こ、れ……、んっ、ひゅき……っ」
「……そうっ、い……こと……くっ、は、ぁっ」
かあっとさらに鋭介の首筋や耳まで手に染まる。かわいい。愛情に急き立てられ、咥えきれない太い部分を指先で撫でさすって扱く。頭の上から、裏返った声。熱く短い息。昌器の口の中でびくびく鋭介の屹立がびくびくっ、と跳ねた。
「あっ――、ぁ……うぁ……っ!」
「ひぐ、……うっ」
口腔に、ぶわあっと鋭介の匂いが広がる。射精の勢いは強く、喉の奥に飛沫がかかる。苦しい。えづきながらも離したくなくて、昌器は鋭介の腰にしたたかにしがみついた。口内に注がれるそれの奔流ゆるやかになり、鋭介の腰がすべて流し込むように揺れる。
やわらかくなった雄が、ずるりと唇を滑っていった。全長がふたりぶんの体液に濡れ光る。
「はっ、はぁ、は、……ぁ、はあっ……」
「ん、ぐ、……んっく、ふ……はあ」
鋭介の手をぎゅっと握り、昌器は口の中のものを何度かにわけて嚥下した。鋭介が、喉仏の動きを見ているのがわかる。頬を撫でてくる指。欲情した瞳が、昌器を見据える。
「……すき」
目を見つめ、おとなしくなった性器に、ちゅっ、と口づけた。